スウェーデンのウメオ大学遺伝学部の報告では、65歳未満で発症する若年性認知症の9つの危険因子が明らかにされました。1969年から1979年に兵役に就いた50万人近い男性を2011年まで追跡調査した結果、アルコール依存で認知症リスクが4.8倍になることが分かりました。
解析の結果は9つの項目で認知症発症のリスクの増大が確認されました。
アルコール依存 4.82倍
脳卒中 2.96倍
抗精神病薬の使用 2.75倍
うつ病・抗うつ薬の使用 1.89倍
父親の認知症 1.65倍
薬物依存 1.54倍
総合的認知機能 1.26倍(標準偏差から1さがるごとに)
身長 1.16倍(標準偏差から1さがるごとに)
収縮期(最大)血圧 10%減(標準偏差から1さがるごとに)
これらの若年性認知症の発症リスクを上げる9つの原因の中で、標準偏差から下がるごとにリスクが上がるという項目が分かりにくいのですが、正確ではありませんが大雑把な言い方をすると平均よりも低くなるとリスクが高くなることを示しています。血圧に関しては血圧が平均よりも低くなるとリスクが低くなります。つまり高血圧が若年性認知症のリスクになるということのでしょう。
若年性認知症は遺伝が関係していると言われていましたが、この結果では遺伝よりもアルコール依存や抗精神薬などの使用が脳に与える影響が強いことが分かります。以外なのは身長が認知症に関係してるということです。
また、この9つの原因の2つを持っていると若年性認知症になるリスクが最大20.38倍になることも報告されています。これらの要因を持つ場合は早めの対応によって若年性認知症の予防の可能性のあることが分かりました。